今年もあと少し。クリスマスとふるさと納税はお早めに。

シルバージュエリーの「黒いぶし」って何?

貴金属の中でも変色が早い銀。
その変色の作用を利用して、銀製品に色付けするのが黒いぶしです。

黒いぶし製品の目的としては、重厚感を持たせる、コントラストを付ける
カラーバリエーションを付けるなどの効果があります。
特に地金色のみでデザインや文字を表現する場合、
見づらくなって何が表現されているのか分からなくなる際に
多く用いられます。

いぶしをかけた時、銀の表面には科学的な作用がもたらされています。
これを主に硫化と呼び、例えるなら温泉に銀製品を入れた時、
真っ黒になってしまう効果と同じです。


黒いぶし例
クリックでリンクしています。


銀は硫黄化合物と結びついて表面に硫化物ができます。
温泉の硫化水素をはじめ、空気中や汗に含まれる亜硫酸ガスが
原因ではじめはうっすら黄色がかり、次第に茶色から黒に変わります。

黒くなりきってしまうとそれ以上の変化はありませんが、
表面の銀化合物を磨いて取り除けば、また銀の輝きが戻ります。


逆に、銀の液体クリーニング剤を用いると、みるみる表面が銀色に戻りますが、
黒いぶしも変色だとみなされて色が落ちてしまう事があります。
これはいぶしの表面を何かで覆う以外に防ぎようがないので、
いぶしがかかった製品には研磨剤が入った布で粗く磨いて
細部に施されていぶしを落とさないように心掛ける事が必要です。


黒いぶし例
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黒いぶしの中には、厚くいぶし過ぎてぽろぽろと錆の様に
剥がれ落ちるものがあります。これは個人では直し様がありませんので
ブランツの修理までお持ちくださいませ。

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